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旅の記録

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2008年 08月 08日

7日目 8月8日(金)パレルモ→パリ

シチリア最終日。
目が覚めても具合は一向に良くない。
まったく、何が悪かったのだろう?
気持ちが悪い。まるで二日酔いのように。
真夜中に心臓がバクバクして眠れなかった。
いつかの飲み過ぎの時と同じような状態だ。
しかし、昨夜はそれほど飲んでもいないし、何が悪かったか全く見当がつかない。
夫と一緒に朝食をとりにダイニングルームに行ってはみたものの
気持ちが悪くて夫の食べている姿を見ているのも耐えられず・・
部屋でしばらく寝ている事にする。

最終日だというのに。
シチリアはおいしいものの宝庫。最終日においしいお土産をたくさん買うつもりだった。
結局、部屋から一歩もでないまま車で空港へ向かう。
車の中からみる景色で見納め。空港でレンタカーを返し空港内に入ってしまうと
シチリアとの別れを強く感じた。
7日目 8月8日(金)パレルモ→パリ_c0171427_16183259.jpg

とりあえず何か食べておけば具合は良くなるかも。
二日酔いの時の特効薬のコカコーラをがぶ飲みしても気分は良くならず、
サラダとリゾットもちょっと口を付けてみたがダメ。
目の前でビールを飲んでいた夫までも具合が悪いと言い出した。
何が悪かった?
夫は水にあたったという。それにしても、具合が悪くなるこの時差はなに?
出発ゲートの待ち合いにまさに「シチリア物産店」らしき店がある。
ワインもカラスミもオリーブも・・ありそうだけど
椅子から立ち上がる事ができないのだ。早く横になりたい。気持ちが悪い。
目の前に店がありながら買い物もできないまま飛行機に乗り込む。
座席に沈み込んで早く眠りたかった。
離陸すると、窓の外に真っ青な海と空があった。
その瞬間、たった今までいたというのにシチリアへのノスタルジーがこみ上げてきた。
もう二度とくる事がないかもしれない土地。
そう思うと胸の奥がキュウとなる。
それが旅なんだ。
いつの間にか深く深く眠ってしまった。
目が覚めると、灰色のパリの空があった。
7日目 8月8日(金)パレルモ→パリ_c0171427_16185016.jpg

パリは曇っていた。だんだんと飛行機が着陸態勢に入る。
陸がどんどん近くなる。おもちゃのような街がどんどん現実的に見えてくる。
そろそろ着陸かと思ったその瞬間飛行機が急上昇し始めた。
「?」
空港の上空を旋回している。
それに関してアナウンスもなし、騒ぐ人もなし、不思議。
再度着陸態勢に入る。今度は無事に着陸。
タラップを降りるとシチリアとは打って変わって冷たい灰色のパリがあった。
しかし、なれた場所に降り立ったという安心感からか、
何となく気分が良くなって行った。

バスを待つ。
待てど暮らせどやって来ない。
しばらくすると、街に行くバスは来ないらしく、皆移動し始めた。
我々もタクシーで行こうかと乗り場に行くと、先ほど一緒にバスを待っていたマダムに
声をかけられる。
私たちの会話(日本語)の所々にパリの地名を聞き取っていたらしく、
同じ方向だから一緒に乗れと手招きする。
こういう場合「どこから来た?」「どこへ行く?」「あれはみたか?」
などと、したくもない会話につきあわされるのが常。
なんだか疲れているのに愛想を振りまくのはごめんだな〜と
ちょっとばかり躊躇したけど、全くそんな心配は無用。
タクシーに乗り込むと、行き先だけ告げてそれっきり一言も口をきかなかった。
これが最初の到着地ならちょっと寂しい気もするが、
濃いイタリアから来た私たちには心地よい空気。
マダムはリヨン駅で降りるらしく、そこまでの料金を3等分したいそぶりを見せた。
計算機でざっと計算して、きっちりお金を私に渡して「オボワ〜」
見事だった。
タクシー運転手も「賢いやり方だ」と感心していた。
私たちも助かった。メルシ マダム!

さあ、徐々に元気になった私とは逆に、どんどん具合の悪くなる夫。
ホテルに着いて荷物を降ろす。
朝からほとんど食べていない私。夫も昼を抜いているし、
とりあえずおそばでも食べてみようかと外に出る。
ホテルはサンジェルマンのど真ん中。
こういう調子の悪い時でもお店の心配がないところに宿をとると助かるものだ。
「さむいね」といいながら2ブロック先のおそば屋さんを目指す。
ありゃ。夏休みしてる。
8月のパリはバカンスで閉まっているお店ばかり。
もう一件の日本食に行ってみたけど、コースでしっかり頼まないとダメみたいで断念。
あまり歩きたくないけど、さっぱりしたものが食べたいのね私たちは。
それで目の前にあった寿司屋に入った。いったいなに人のお店なのだろう?
こういうお店でフランス語でもなく英語で注文するのが妙にかっこわるくて苦手だ。
客はだいたいフランス人。学生が多いみたいだ。
味は多分それほど悪くないと思う。(ネタがいい)でも具合が悪くて食べられない。
残して帰る日本人って言うのも、「おまえの寿司は食えん」みたいに思われそうで、
なんだか申し訳なくかっこわるい。
だけど、具合が悪いので許してね。


7日目 8月8日(金)パレルモ→パリ_c0171427_1619524.jpg7日目 8月8日(金)パレルモ→パリ_c0171427_161919100.jpg

早めにホテルにもどり、テレビを見ながら寝てしまった。

by plusai-tabi | 2008-08-08 18:56 | 2008 シチリア・パリ


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